東京外国語大学は2025年度、医療通訳養成講座を新規開講する。講座は「英語」「中国語」「ベトナム語」の3言語で、東京科学大学の協力を得て社会人を対象とした履修証明プログラムとして進める。
東京外国語大学によると、開講は2025年4月から8月の毎週土曜日の春期間と、9月から12月の毎週土曜日の秋期間で、合計135時間。春期間に「医学概論Ⅰ」「通訳概論」「医療通訳Ⅰ」、秋期間に「医学概論Ⅱ」「多文化共生基礎」「医療通訳Ⅱ」の計6科目を学ぶ。
全講座オンラインが基本だが、各期間に1回ずつ東京都文京区の東京科学大学湯島キャンパスで実習がある。講師は東京科学大学病院国際医療部の岡田卓也部長、東京外国語大学の小島祥美多文化共生センター長、通訳のヘザー・グラスさん、岩田久美さんらが務める。
受講料29万7,000円で、3言語合計30人を募る。書類による1次審査と筆記・口述の2次審査で受講生を選ぶ。修了者には学校教育法に基づく履修証明書が交付される。応募期間は12月22日まで。
在留資格の拡大とともに、多くの外国人が日本で暮らすようになり、観光や医療機関受診などの目的で来日する外国人も増えている。しかし、急病やけがなどで医療機関を訪問しても外国人に対応できるところが少なく、医療スタッフとの意思疎通が課題に浮上してきた。
これを解決するために企画されたのがこの医療通訳養成講座で、日本人医療スタッフと外国人患者の的確なコミュニケーションを担う人材を養成する。