東京大学150周年企画調整委員会は、創建200年を迎える東京大学のシンボル・赤門周辺の歴史的環境保全に取り組むことを決めた。赤門を耐震補修するとともに、多様な人々が集うスペースとして周辺を整備する計画で、事業に必要な資金の一部をまかなうため一般からの寄付を呼び掛けている。
東京大学によると、東京大学が150周年を記念して実施するのは、赤門周辺の歴史的環境保全事業。首都直下型地震など大規模災害で倒壊することがないよう耐震補強を施すほか、赤門周辺を誰もが訪れたくなるキャンパスの入口にするため、歴史を感じさせるスペース「赤門ロード(仮称)」として再整備する。
さらに、赤門周辺で発掘された遺構を保存・展示するとともに、隣接する東京大学コミュニケーションセンターを改修して貴重な歴史文化遺産や研究成果を多くの人と共有する。寄付の募集は2027年3月末まで。寄付の集まり具合を見ながら、事業を進める計画。
赤門は江戸時代後期の1827年、加賀藩主前田斉泰が将軍の徳川家斉21女・溶姫を正室(本妻)に迎える際、加賀藩江戸屋敷の御守殿門として建てられた。現存する御守殿門としては国内唯一となる。現在は東京大学本郷キャンパスの赤門として使用されているが、両脇の番所の耐震性能が低いことが分かり2021年から閉鎖している。