雨水利用研究に長年取り組んでいる福井工業大学の笠井利浩教授とデンカアステック株式会社が共同開発したトイレ洗浄用雨水タンク『ピュアエデン』が、グッドデザイン賞を受賞した。

 福井工業大学の笠井利浩教授は、日本国内で南海トラフ大地震の発生が直近の問題として報じられていることなどを背景に、トイレ洗浄用水などの生活用水が確保できる製品が必要であると感じ、雨水利用研究に長年取り組んでいる。各家庭での雨水利用の効果を高めるには大きな雨水タンクが有利だが、都市部などでは敷地内のタンク設置スペースの制限が大きく、またマンションなどではそもそも自由に使える敷地がない。「ピュアエデン」はそんな設置スペースの問題を解決するために開発された。

 「ピュアエデン」は、小型の雨水タンクであるが、多くの建物に設置されることで街の災害レジリエンスは高まる。さらに「ピュアエデン」に備わる水循環による清浄な雨水貯留機能(最大100L)や停電時にも1階のトイレなどで利用できる位置エネルギーによる送水機能により、もしもの時にも役立つ製品に仕上がった。将来的には「ピュアエデン」の利用がきっかけとなって大型の雨水タンクが社会に広がり、「雨を貯めて使うのが普通の社会」になることを期待している。

 今回、トイレ洗浄用雨水タンク『ピュアエデン』がグッドデザイン賞を受賞したのは、製品自体の機能だけでなく、危機管理意識の促進という意味においても住宅設備の一つとして意味のある製品であること、また、無駄がなくシンプルな意匠も良く、住宅の壁紙に合わせた色の展開なども期待できることが評価された。

参考:【FUTまちづくりデザインセンター】国内初!壁掛式雨水タンクでグッドデザイン賞受賞

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