宝塚医療大学(本部:兵庫県宝塚市)は観光学部のキャンパスを石川県加賀市に置く方針を固め、加賀市と基本協定を締結した。全国有数の温泉地である加賀市の観光産業をさらに盛り上げ、人口流出の抑制や地域振興を目指す。
宝塚医療大学によると、協定の締結式は加賀市役所であり、宮元陸加賀市長と岸野雅方宝塚医療大学学長が協定書に署名した。2027年4月をめどに観光学部の加賀キャンパス(仮称)を設置して地域貢献に資する取り組みを積極的に行い、加賀市は大学の設置・運営が円滑に進むよう支援・協力するといった事項に合意した。
宝塚医療大学は2024年度、沖縄県宮古島市で旧城辺中学校校舎、旧市立図書館城辺分館を転用して観光学部の1年生が学ぶ宮古島キャンパスを開設した。2年生以降は兵庫県尼崎市の尼崎キャンパスに移るが、加賀キャンパスが開設されれば3拠点体制で教育を進める方針。
加賀キャンパスで学ぶのは2~4年生の約120人。観光が専門の教員5人程度が常駐し、市内の空き公共施設を校舎に転用することが検討されている。加賀温泉郷のホテル、旅館で職業研修の実施も想定している。
加賀市は大学の協力を得て若い世代の流出に歯止めをかける一方、政府の指定を受けるデジタル田園健康特区を活用して大学のヘルスツーリズム研究所設立構想を積極的に支援する。
宝塚医療大学は保健医療学部(宝塚キャンパス・大阪中津キャンパス)、和歌山保険医療学部(和歌山キャンパス)、観光学部(宮古島キャンパス・尼崎キャンパス)を設置しており、2024年5月現在1054人の学生が在籍している。