2025年1月24日、文部科学省は「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の第2期採択大学を発表した。「国際卓越研究大学」と並ぶ、日本の研究力を再生するために立ち上げられた重要事業で、2024年度は13大学が採択された。
2023年度の公募では69件の申請があり12件を採択、今回の公募では65件の申請があり13件を採択している。事業全体で最大25件程度としているため、2024年度が最後となった。採択された大学への支援経費は1件当たり最大55億円程度、事業期間は5年間となっている。
今回の「J-PEAKS」において注目したいのは、新たに採択された13大学のうち、いくつかの大学は連携参画機関として海外の名門大学が入っていること。例えば、弘前大学はハーバード大学やジョンズホプキンス大学、藤田医科大学はマサチューセッツ工科大学、熊本大学は清華大学が連携参画機関名として発表されている。2023年度に採択されている大学でも、海外の大学が連携参画機関として発表されているが、2024年度は前年度より多くなっている。
世界的に見た場合、日本は中位層の大学の研究論文数が少ない傾向にあるため、「J-PEAKS」に採択された計25大学への支援により、トップ層だけでなく中位層の大学も引き上げられ、世界トップレベルの研究大学の層を厚くすることが期待される。
なお、10兆円大学ファンドの助成対象校「国際卓越研究大学」については、東北大学が採択されている。第2期公募は2024年12月24日から開始されており、第1期で申請した、筑波大学、東京大学、東京科学大学、東京理科大学、早稲田大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の動向が注目される。
<J-PEAKS 第1期採択大学>
北海道大学、千葉大学、慶応義塾大学、東京芸術大学、東京農工大学、金沢大学、信州大学、大阪公立大学、神戸大学、岡山大学、広島大学、沖縄科学技術大学院大学
<J-PEAKS 第2期採択大学>
弘前大学、山形大学、横浜市立大学、長岡技術科学大学、新潟大学、山梨大学、藤田医科大学、立命館大学、奈良先端科学技術大学院大学、徳島大学、九州工業大学、長崎大学、熊本大学
<国際卓越研究大学 第1期採択大学>
東北大学