江戸川大学睡眠研究所の浅岡章一教授、山本隆一郎教授、野添健太講師、西村律子准教授による研究チームが睡眠習慣および眠気と内受容感覚との関連に関する最新の研究成果をまとめた論文が、国際的なオープンジャーナル誌『PLOS One』にアクセプトされた。

 「内受容感覚」とは、身体内部の状態(例えば、心臓や胃腸の状態)に対する感覚を指す。この内受容感覚は、身体内部環境を一定程度の範囲に保つこと(ホメオスタシス)に重要であるだけでなく、感情や動機付け、精神的健康にも関連する事が示されてきた。

 本研究では、日勤労働者を対象に、この内受容感覚と睡眠習慣、および眠気との関連についてWeb調査を用いて検討した。その結果、睡眠習慣よりも主観的な日中の眠気の強さが内受容感覚と強く関連する事を示した。しばしば、質問紙によって測定された主観的な眠気の評価は、生理学的・行動学的手法による客観的な眠気の評価と乖離するが、今回の研究成果は眠気評価の個人差を内受容感覚の差異が説明しうる可能性を示すものと言える。

 第一著者で江戸川大学睡眠研究所所長の浅岡教授(社会学部人間心理学科/専門分野:実験心理学、睡眠学)は「悪夢や睡眠の質と内受容感覚との関連は先行研究で報告されていましたが、今回のデータで眠気の主観的評価と内受容感覚との関連を新たに示すことで、眠気評価の個人差の解明に貢献出来たことに意義を感じています。今後は実験的な手法を用いて眠気と内受容感覚との関連について更に検討していければと考えています」とコメントした。

論文情報:【PLOS One】Relationship between sleep variables and interoceptive awareness in daytime workers

江戸川大学

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