2025年2月27日、岡山大学は四足歩行の犬型ロボットが農業を支援する実証実験の体験・講演会を岡山市北区の岡山大学農場で開いた。農家の人手不足を緩和するため、農作業支援に向けてロボット導入を研究しているもので、高知工科大学が所有する犬型ロボットなどが公開された。
岡山大学によると、体験・講演会には岡山大学の学生や教職員、岡山県内の農業関係者ら約80人が参加。高知工科大学情報学群の栗原徹教授が最大14キロの荷物を運べる犬型ロボットを使い、人の声を認識して農地内で荷物を搬送するデモンストレーションを行った。
続いて、岡山大学の学生チームが別の犬型ロボットにジャンプさせるなどして、ロボットの高い機動性と制御技術を披露した。体験会のあとは大学内に会場を移し、栗原教授が高知工科大学で進められている実証実験の内容などを報告した。
岡山県によると、岡山県内では北部の中山間地域を中心に急速な人口減少と高齢化が進み、耕作放棄地が増える一方、基幹的農業従事者数が2015年から5年間で約20%減少した。農業従事者の多くが70代以上となり、農家の約7割が後継者不在から1人で切り盛りしている。
このままでは農業自体が崩壊しかねない厳しい状況といえることから、岡山大学は人手不足を緩和し、高齢化する農業従事者の負担を軽減するためにロボットの導入を目指している。