株式会社マイナビは、2026年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した「マイナビ 2026年卒 大学生Uターン・地元就職に関する調査」の結果を発表した。有効回答数/3,224名(文系男子503名 文系女子1,269名 理系男子726名 理系女子726名。)

 26年卒学生のうちUターンを含む地元就職を希望する割合は、56.4%(前年比5.9pt減)で4年ぶりに6割を切り、21年卒・22年卒の水準まで下がった。また、大学・大学院に進学した時点での地元就職希望は54.6%で、進学時から調査時点までの間で1.8ptしか増加しなかった。

 22年卒~25年卒は大学進学時や大学生活をコロナ禍で過ごし、リモートワークが増えたことなども影響して地元就職希望が高まったとみられるが、26年卒が大学進学するタイミングでは行動制限はほとんどなくなっており、コロナ禍以降に大学生活を過ごしたことで、在学中に地元就職希望が高まらなかった可能性がある。

 地元就職を希望する理由の上位をみると「両親や祖父母の近くで生活したい(48.1%)」が最多で、「実家から通えて経済的に楽(41.7%)」、「地元(Uターン先)での生活に慣れている(39.6%)」が続いた。また、自由回答をみると父母や祖父母を大切に思い将来の介護を気にかけたり、子どもができたときに実家を頼りにしたいといった家族とのつながりを重んじる内容がみられた。

 一方、地元就職を希望しない理由は「志望する企業がないから(36.8%)」が最も多く、次いで「給料が安そうだから(27.3%)」が挙がった。自由回答では「より良い給料の企業に就職したい」、「希望する業種や職種の仕事に就きたい」、などの声がみられた。しかし、これらの理由で“今”は地元就職を希望しないという学生の中にも、都会でスキルを積み、“将来は”地元に戻りたいという意見もあった。

 地元就職(Uターン先)のためにインターンシップ・仕事体験に参加したことがあるか聞いたところ、「ある」と回答した学生は33.8%。参加したことがある割合は、地元進学の学生の方が地元外進学の学生よりも高かった。参加したことがある学生に、参加してみて、地元就職(Uターン含む)に対する考え方はどう変わったか聞いたところ、85.6%の学生が「地元就職を意識するようになった」と回答した。

 今回の調査結果について、マイナビキャリアリサーチラボの石田力研究員は「26年卒の学生は2020年4月の最初の緊急事態宣言時にはまだ高校2年生だったことから、前年や前々年の学生に比べ、コロナ禍による大学生活への影響が少なく、地元就職意向が増加しなかったと考えられます。一方で、インターンシップ・仕事体験の実施が地元就職意向に影響を与えていることや、地元外就職を希望していても“いずれは地元に”と考える学生もいるなど、人口減少で採用に苦戦している地方企業においては地元就職を促すヒントも見出せる結果となりました」と分析している。

参考:【株式会社マイナビ】「マイナビ 2026年卒 大学生Uターン・地元就職に関する調査」を発表

大学ジャーナルオンライン編集部

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