2025年5月22日、筑波大学と株式会社カクヤスグループが共同研究契約を締結した。産学連携による新たなアプローチを通じて、歴史ある酒・飲食文化の継承や発展に影響を与える要因について科学的根拠に基づいた研究を行い、若年層の酒離れの要因分析のため、飲酒理由の経時的変化について調査及び文献考察により検証する。

 日本では、酒は、人生や季節の節目を祝う特別な日に人の心をつなぐ欠かせない存在として受け継がれてきた。また、食事と組み合わせることで新たな味覚の発見があるなど、豊かな食体験を生むものとしても楽しまれている。2024年12月には、日本各地の気候風土に合わせて杜氏・蔵人等がこうじ菌を用いて造る日本酒や焼酎、泡盛等の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産として登録されることが決定した。しかし、国内酒類市場は、人口減少及び高齢化、若者の酒離れや健康志向による飲酒習慣の変化等により、長期的には縮小傾向にあると考えられている。

 筑波大学の吉本尚准教授は、これまでにアルコール健康障害に関する地域医療連携、ノンアルコール飲料や微アルコール飲料を用いた介入の効果検証など、飲酒と健康に関する研究を積極的に行っている。センター長を務める、筑波大学健幸ライフスタイル開発研究センターでは、次世代につなげる健康で幸せなライフスタイルの実現に向けた取り組みを行っている。

 100年以上にわたり酒類販売業を営んできたカクヤスグループは、時代によって変化するライフスタイルや多様化するニーズへの提案を通して、酒・飲食文化の継承、発展に貢献する活動を行っている。吉本准教授の研究の理念はカクヤスグループの想いと一致しており、共同研究を開始することになった。本共同研究を通して、酒・飲食文化の健全な発展を目指し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

参考:【筑波大学】カクヤスグループ、筑波大学と共同研究契約を締結~酒・飲食文化の継承や発展に影響を与える要因に関する総合的研究~(PDF)

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