江戸川大学では、2026年度よりゲーム業界を目指す学生、ゲームに関心のある学生に向けて「ゲーム教育学内連携プロジェクト」を開始する。メディアコミュニケーション学部情報文化学科、マス・コミュニケーション学科、そして社会学部経営社会学科の3学科で、それぞれが持つカリキュラムの強みを生かした学びを展開する。

 日本国内のゲーム市場規模は2兆円を超え、世界全体では約29兆円に達するなど、ゲーム産業はかつてない成長を遂げている。こうした状況を背景に、経済産業省も海外展開を視野に入れた推進アクションプランを策定し、官民一体となった戦略的な取り組みが進められている。そんなゲーム業界を担う人材には、制作スキルだけでなく、AIやデジタル技術への対応、メディアとしてのゲーム活用、イベントの企画・運営など、「情報技術」や「コミュニケーション」を含む多様な領域への理解が求められている。

 江戸川大学では2025年4月、社会学部経営社会学科に「ゲームビジネスコース」を開設。ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)で数多くのゲームに携わり、「アイマス」の略称で親しまれる大ヒットゲーム『THE IDOLM @STER』シリーズのプロデューサーを長年担当した坂上陽三教授らが教鞭を執り、ゲーム業界の構造を経営・ビジネスの観点から体系的に学ぶカリキュラムで、業界に精通したゼネラリストの育成を目指す。

 さらに2026年度から、メディアコミュニケーション学部情報文化学科、マス・コミュニケーション学科、社会学部経営社会学科の3学科が持つ教育資源を連携させた「ゲーム教育学内連携プロジェクト」を開始する。各学科やゼミナールの強みを最大限に生かし、「制作連携」や「イベント連携」を図ることで、学生が多角的に学べる教育環境を整備。学部学科の枠を超え、ゲームを起点として現代社会に即した専門性と実践力を身につける。

 「制作連携」は、情報文化学科及び経営社会学科が中心となり、ゲーム制作やゲームビジネスの授業(演習・実習、ゼミナール等)において学生間でピアレビューし合う場を設置する。学生が制作したオリジナルゲームやシナリオゲームを互いに評価し相互フィードバックする機会を設けることで、制作スキルの向上、気づきの促進、そしてモチベーションの向上を図る。将来的には、3学科・ゼミナール連携の中で「企画、制作、配信、マネジメントまでを一体化させた江戸川大学発オリジナルゲームの開発」を目指す。

 「イベント連携」は、経営社会学科及びマス・コミュニケーション学科が中心となり、ゲームビジネスや広報・PR関連の授業(演習・実習、ゼミナール等)において、インディゲームコンテストやプロゲーマーによる頂上対決などゲームを題材にしたオリジナルイベントを計画。企画コンセプトの立案からプログラムの策定、キャスティング、当日の動員と運営、広報・PR活動までをイベント連携という枠組みの中で協働していく。これらは2026年度以降の学園祭(駒木祭)で実施することを予定している。

 学部・学科を超えたゲーム教育の展開は、授業内の演習・実習やゼミ活動だけにとどまらず、学生が主体的に取り組む課外活動にも広がりを見せている。江戸川大学ではゲーム関連の課外活動の支援とゲームを通じた学生間のコミュニケーション強化に向けて、ゲーム開発やeスポーツの実践及び実況を行うことができる体験型施設(ゲーミング/eスポーツLab)を設置し、2026年度からの本格運用を想定している。このLabには、ハイスペックなゲーム機器を完備し、学生たちがオンラインゲームを通じて交流し、その魅力を存分に体験できる環境を提供する。

参考:【江戸川大学】情報文化学科・マスコミ学科・経営社会学科が連携する「ゲーム教育学内連携プロジェクト」が始動

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