日本工業大学建築学科の小川次郎教授、卒業生の小林靖氏と池田聖太氏が設計し、小川研究室の学生が協力した「エバーフィールド⽊材加⼯場」が、日本木材青壮年団体連合会主催「第28回木材活用コンクール」の最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞した。

 「エバーフィールド木材加工場」は、熊本市の建設会社エバーフィールドの敷地内に建設された木材加工場。建築や都市計画を通して文化の向上を図ろうというコンセプトで実施されている熊本県の事業「くまもとアートポリス」で、「地域の工務店が施工する新しく美しい木造大スパン空間」「技術者の育成の場としての活用から地域の活性化まで見据えた施設整備」という2つをテーマにしたプロポーザルで選定され、実現した。

 設計は建築学科の小川次郎教授と卒業生の小林靖氏、池田聖太氏が担当し、小川研究室の学生が協力して完成させた。延床面積は638.98㎡。熊本県産の小国杉を使い、主に4寸(120㎜)角及びその半割の製材からなる3角形ユニットを単位として、これらが互いに“支える・支えられる”という関係を繰り返す「木造レシプロカル構造」により建築全体が構成されている。木の性質に根差して、木材を生物における細胞のような存在として捉え、それらが伸び縮みしつつ形成される集合体を思わせる空間となっている。

 日本木材青壮年団体連合会が主催する第28回木材活用コンクールには100作品が応募され、3月9日に開催された最終審査会で21作品が受賞対象に選ばれた。表彰式は5月24日に行われた。また、3月31日にTECTURE AWARDファイナルラウンドでもグランプリを獲得している。

 今回の受賞に際し、小川教授は「数多くの応募作品の中から選出されたことを大変光栄に思う。ものづくりに対する日工大スピリットを今後もOBや現役学生と共に追求していきたい」と述べている。

参考:【日本工業大学】建築学科教員・OBが設計、学生が協力した建築が、木材活用コンクールの最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞!

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