2025年4月1日付で、宇宙飛行士の土井隆雄氏が龍谷大学の客員教授に就任した。土井氏は宇宙飛行士としての実績のみならず、人類の宇宙進出を自然科学や経済・社会の観点から総合的に考察する「有人宇宙学」を提唱し、幅広い活動を通じて、ヒトと地球、宇宙の未来に挑戦し続けている。
土井氏は2024年12月、世界初となる木造人工衛星の打ち上げを成功させた研究チームの代表を務めた。現在は瀬田キャンパスに研究室を構え、客員教授として着任後も引き続き同人工衛星の開発に関する研究を進めている。また、2025年10月から龍谷大学の動画メディア「VOiCE」に出演する。この番組では、市民に寄り添い、誰もが抱える悩みや迷いに対して、土井氏ならではの視点や経験をもとに解決の糸口を提示する。相談内容は7月8日から29日まで一般から広く募集され、選ばれた質問には動画内で回答するという。
土井氏は1954年東京都生まれ。1983年に東京大学大学院工学系研究科博士課程を修了、2004年にライス大学大学院博士課程も修了し、工学・理学博士の学位を有する。1997年にはスペースシャトル「コロンビア号」に搭乗し、日本人として初めて船外活動を実施。2008年には「エンデバー号」に搭乗し、国際宇宙ステーションに日本実験棟「きぼう」の船内保管室を取り付ける任務を担った。2009年から2016年までは国連宇宙部で宇宙科学技術の普及活動にも従事。京都大学宇宙総合学研究ユニット特定教授、同大学大学院総合生存学館特任教授などを歴任し、2025年4月からは龍谷大学客員教授、京都大学農学研究科研究員を兼任している。また、2002年と2007年には超新星の発見にも成功している。
龍谷大学では2027年4月、瀬田キャンパスに「環境サステナビリティ学部(仮称)」と「情報学部(仮称)」を新設する構想を進めている。これにより、既存の先端理工学部や農学部と連携し、キャンパス全体の教育・研究体制のさらなる充実を図る方針である。
参考:【龍谷大学】宇宙飛行士の土井隆雄氏が龍谷大学客員教授に就任 木造人工衛星に関する研究の継続および龍谷大学動画メディアにて悩める市民に寄り添う