文部科学省は、2023年度大学教育再生戦略推進費「人文・社会科学系ネットワーク型大学院構築事業」について採択事業を決定した。

 「人文・社会科学系ネットワーク型大学院構築事業」は、「人文科学・社会科学系における 大学院教育改革の方向性」(中間とりまとめ)(2022年8月3日中央教育審議会)を踏まえ、ネットワーク型の教育研究を通じて社会の期待に応える、新たな人文科学・社会科学系の高度人材養成モデルを構築することを目的としている。

 申請においては、原則2024年度(遅くとも2025年度)より学生の受け入れを開始すること、自大学以外の2以上の大学と連携することなどの条件があり、8件の申請があった。このうち5件の事業が選定された。採択された代表校・連携校および事業名は以下のとおり。

・茨城大学(連携校:宇都宮大学、常磐大学)
「多様性と脆弱性の尊重から始まるインクルーシブ社会の構築により、≪機会創出≫と≪課題解決≫を実現するダイバーシティ・マネジメント地域共創リーダー学位プログラムの構築」

・東京外国語大学(連携校:筑波大学、上智大学)
「英語教育学イニシアティヴ・プログラム」

・神戸大学 (連携校:小樽商科大学、和歌山大学)
「地域/社会課題を解決する対話型ビジネス価値共創人材養成のための価値創発から社会実装までの一貫教育プログラム」

・大阪公立大学 (連携校:和歌山大学、関西大学、流通科学大学)
「CSV(Creating Shared Value)経営研究プログラム」

・龍谷大学 (連携校:琉球大学、京都文教大学)
「大学連携型ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム 」

 私立大学で唯一代表校に選ばれた龍谷大学は、実社会の課題を取り上げて、ソーシャル・イノベーションに必要な「社会課題の原因を多面的視点から見抜く力」「多様な領域の知見を組合せて付加価値を生む力」を育むPBL型の教育プログラムを開発する。連携する琉球大学大学院の地域共創研究科は沖縄の地域特性を教育資源として活用する高度専門職業人の育成、京都文教大学大学院臨床心理学研究科は研究所を擁して臨床心理学の専門性を産業メンタルヘルスの領域に応用展開している。プログラムは様々な業種の社会人のリスキリングのニーズにも対応し、社会的合理性と経済的合理性の両立の難しさを理解しつつも、果敢にチャレンジする人材を世の中に一人でも多く輩出することを目指す。

参考:【文部科学省】令和5年度「人文・社会科学系ネットワーク型大学院構築事業」の選定結果を公表します
【龍谷大学】文部科学省 令和5年度「人文・社会科学系ネットワーク型大学院構築事業」に龍谷大学(代表校)が採択(連携校:琉球大学・京都文教大学)【政策学部】

大学ジャーナルオンライン編集部

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