北陸大学(石川県金沢市)は、2027年4月に人文社会学部メディア情報学科(仮称)の新設を構想している。地域の文化観光を推進し、デジタル技術を活用した経営効率化や観光ビジネスを創出する人材や、コンテンツ産業を牽引するクリエイターの育成を目指す。新学科の設置にともない、現在の国際コミュニケーション学部は人文社会学部(仮称)へと名称を変更する予定。
メディア情報学科では、「人文学とデジタル技術を融合し、地域社会における新たな文化価値の創出に寄与する」を教育理念として、従来の人文学的知見と最先端デジタル技術を掛け合わせて新しい知や価値を生み出す学びを重視する。
カリキュラムは「情報コミュニケーションコース」「デジタルメディアデザインコース」「地域文化情報デザインコース」の3つの履修モデルコースを設けているが、文化、観光、コミュニケーション、ビジネス、クリエイティブの各領域にわたる科目の中から興味や関心に応じて柔軟に授業を組み合わせ、オリジナルのカリキュラムを作成することも可能。具体的には、文化系科目では伝統文化からアニメなどのサブカルチャーまで幅広く日本文化の理解を深め、観光系科目では文化資源や観光マーケティングについて学ぶ。コミュニケーション系では、メディアやデザイン、心理などを通して人と社会をつなぐ手法を探究し、ビジネス系科目では新たな価値の創出に向けた理論と実践に取り組む。
これまで国際コミュニケーション学部で積み重ねてきた、人文学系教育研究(言語・文化・心理学)の実績や、文部科学省認定の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル プラス)」という全学的なデータサイエンス教育も、引継ぐ。さらに、観光都市・金沢にキャンパスがある強みを活かし、フィールドワークや地域連携にも注力するなど、実践的な教育も推進していく。
「メディア情報」という名称の学科は、2025年度の時点で金沢工業大学(石川県野々市市)をはじめ全国で6つ存在するが、文化や観光の領域を包含するメディア情報学科は北陸大学のみであり、ここに大きな独自性があるといえる。