福井大学と国立国際医療研究センター、医療機器開発の日本光電工業の共同研究チームは、日本初となるロボット麻酔システムを開発し、臨床試験を始めた。麻酔薬の投与量を自動調整できる装置で、麻酔科医の負担が大幅に軽減されるとして注目を集めそうだ。

 福井大学によると、このシステムは手術中の患者の状態をチェックするモニターと、制御用のコンピューター、薬剤注入ポンプで構成される。手術中に血圧や脈拍などをモニターし、意識レベルを下げる鎮静薬、筋肉の収縮を止める筋弛緩薬、痛みを抑える鎮痛薬を状態に合わせて投与する仕組み。

 自動車の速度を一定に保つ自動運転車のように、麻酔科医を支援する。これにより、麻酔科医の負担が減り、人的ミスを防止するとともに、麻酔薬の適正投与で患者リスクの軽減にもつながるという。

 臨床試験は3月から開始され、患者約60人を対象に安全性と有効性を確認する。製品化は2022年度を目標としている。

 麻酔科医は呼吸や血圧など患者の状態を管理しながら、麻酔薬の投与量を調整し、異常があれば適切な対応を施しているが、全身麻酔による手術件数が増加傾向にあるため、全国的に不足している。

 福井大学などの共同研究チームはこうした状況を改善するため、2017年から開発に着手し、2018年度に医療研究開発機構の事業に採択されていた。

参考:【福井大学】麻酔科医の働き方を変える「ロボット麻酔システム」を共同開発~患者60人規模の臨床評価に着手~(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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