富山大学地域連携推進機構の山田正明助教、関根道和教授らが授業理解度の低い小学生とその家庭環境、生活習慣を調べたところ、家庭にゆとりがない児童ほど授業理解度が低い傾向があることを突き止めた。山田助教らは家庭環境や生活習慣を見直すことで授業理解度を高められるのでないかとみている。
山田助教らは2016年、富山県高岡市の児童1,663人を対象に授業の内容がよく分かるかどうかを尋ね、「よく分からない」「分からない」と答えた児童を授業理解度が低いと定義、生活習慣や家庭環境との関連を分析した。授業理解度が低いとされた児童は全体の18.0%(男子17.4%、女子18.6%)に上った。
分析によると、児童の生活習慣では午前6時半までに起床する児童に比べ、7時までに起床する児童は授業理解度が低いケースが1.36倍、7時以降の児童は2.48倍となり、起床時間が遅くなるのに連れて授業理解度が低い児童が多くなっていた。
メディアを見る時間が平日で2時間以上の児童は2時間未満に比べて1.35倍、自宅学習の時間が1時間未満の児童は1時間以上に比べて1.82倍も授業理解度が低い子が多かった。
家庭環境から見ると、授業理解度が低い子は父親が喫煙する児童で喫煙しない家庭の児童に比べて1.47倍、母親が喫煙する児童で喫煙しない家庭の児童に比べて1.87倍あり、暮らしにゆとりがない家庭の児童はゆとりがある家庭より1.48倍多いという結果が出た。