全国の都道府県別合計特殊出生率(※1)が2005年にいったん最低値を記録し、その後回復に向かっていることが、東北大学大学院経済学研究科の吉田浩教授らの検証で分かった。2015年以前の調査データが一部、2016年以降と異なり、単純に比較できなかったため、独自に検証した。

 東北大学によると、合計特殊出生率の算出は分子の出生数に日本国籍児のデータを用いることから、分母の女子人口も日本人人口を用いる必要がある。だが、都道府県別の算出で2015年以前は国勢調査以外に年齢別日本人人口のデータが存在しなかったため、非国勢調査年は外国人を含む総人口を代用しており、2016年以降のデータと比較できなかった。

 そこで、吉田教授らが2015年以前の数値を2000年まで分母の女子人口に日本人人口を用いて検証したところ、全都道府県で2005年、それまでの最低値を記録したあと、回復に向かっていることが分かった。

 2005年から2018年で最も大きく回復したのは、徳島県の0.26ポイント。次いで島根県と宮崎県の0.24ポイント、福岡県と長崎県、熊本県の0.23ポイント。中国、四国、九州の西日本で回復が著しかった。これに対し、秋田県が0.01ポイントのマイナスになるなど、青森県を除く東北地方で回復が遅れている。特に秋田県は2010年に2005年の最低値を更新、2018年も2010年に次ぐ低い水準になったほか、岩手県は2018年、山形県は2017年に2005年の最低値と同じ数値に落ち込んだ。

 本研究の詳細は2019年7月19日に行われる東北大学 社会にインパクトある研究「少子高齢社会から心豊かな長寿社会へ」シンポジウムで報告が行われる。

※1 合計特殊出生率 1人の女性が一生に産む子どもの数の平均値で、15歳から49歳までの年齢別出生率の合計

参考:【東北大学】各都道府県の合計特殊出生率転換点は実は2005(平成17)年にあった -2000年から2015年の都道府県別の合計特殊出生率(東北大TFR)遡及計算による検証-(PDF)

東北大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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