絶対音感(※1)を持つ音楽家が「ド」の音を聞く際、脳の活動が言語処理に近いことを、新潟大学脳研究所統合脳機能研究センターの伊藤浩介特任准教授らの研究グループが突き止めた。絶対音感の脳の仕組みは不明な点が多いだけに、解明に向けた前進といえそうだ。

調査は音楽経験者で絶対音感がある人とない人、音楽未経験者約20人ずつに「ド」の音を聞かせ、脳の電気反応を調べた。それによると、絶対音感を持たない人や音楽未経験者は左右の脳で均一な反応が見られたのに対し、絶対音感を持つ人は右脳の活動を抑制することで左脳の反応が強く出ていた。

左脳は言語処理の際に強く反応することが分かっている。絶対音感を習得しやすい時期は子どもが母国語を覚える時期と一致することもあり、研究グループは絶対音感を持つ人が連続した音を半音単位で人為的に区切り、言語化しており、絶対音感を言語機能とみなせるのではないかとみている。

絶対音感は音楽だけの特殊な能力と考えられがちだが、脳内を見るとそうとはいい切れないことも明らかになった。

※1 絶対音感 聞いた音を別の音と比較しないで「ドレミ」などの音名を判別できる能力

論文情報:【Frontiers in Neuroscience】Auditory T-complex reveals reduced neural activities in the right auditory cortex in musicians with absolute pitch

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新潟大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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