文部科学省が教職大学院の2019年度入試実施状況をまとめたところ、入学定員充足率が前年度を16.9ポイント下回る80.3%となり。制度がスタートした2008年度以来の最低に落ち込んでいることが分かった。国立大学教職大学院の入学定員増や大学院の改組で選考日程が遅れたことなどが影響したとみられている。

 文科省によると、教職大学院は国立47校、私立7校の合計54校。2019年度の入学定員は前年度を645人上回る2,045人で、入学者数は前年度より279人多い1,649人。内訳は現職教員が738人、学部新卒学生などが911人だった。

 国立大学の教職大学院47校は入学定員1,849人に対し、入学者1,535人で、入学定員充足率83.0%。私立大学7校は入学定員205人に対し、入学者135人で、入学定員充足率55.6%。入学定員充足率は国立で16.9ポイント、私立で25.9ポイント前年度を下回っている。

 2008年度以降の入学定員充足率は90.4~99.4%の範囲で推移してきた。国立、私立を合わせた全体の数字が80%台に落ち込んだのはこれが初めてになる。

 国立大学で定員充足率が高かったのは、愛媛大学の153.3%、香川大学の128.6%、熊本大学の126.7%、弘前大学の118.8%、島根大学の117.6%など。逆に定員充足率が低かったのは、北海道教育大学の55.6%、鳴門教育大学の58.9%、兵庫教育大学の63.2%、山口大学の64.3%、福島大学と上越教育大学の68.8%などとなっている。

参考:【文部科学省】令和元年度国私立教職大学院入学者選抜実施状況の概要

大学ジャーナルオンライン編集部

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