2019年度中に就職活動をした大学4年生と大学院2年生の1割以上が企業から内定や内々定を出す代わりに、就職を終わるように求めるオワハラを受けていたことが、内閣府の委託調査で分かった。文部科学省の大学調査でも3割以上が学生から相談を受けたと回答しており、売り手市場の就職戦線と相まってオワハラが依然として頻発している実態が浮かび上がった。

 内閣府の調査は浜銀総合研究所に委託され、7~8月に大学4年生5,023人、大学院2年生1,963人の計6,986人を対象に実施された。文科省の調査は7、8月に全国の大学、短期大学、高等専門学校1,106校から回答を得た。

 それらによると、「オワハラを受けた」と答えた学生は全体の13.4%。2015年度調査の19.9%から毎年少しずつ減っているものの、依然として解消していない。内容は「早めに内々定を受ける旨の返答をしなければ内々定を取り消す」というものが全体の7割を占めている。

 学生からオワハラで相談を受けた大学などは前年度より3.1ポイント少ない全体の32.9%。内々定の段階で内定承諾書を求められたケースが相談を受けた大学などの83.2%であったほか、内々定の代わりに就職活動をやめるように強要されるケースが64.0%の大学などで見られた。

 また、セクハラ行為を受けたと答えた学生も2.4%(136名)いた。タイミングとしては「就職採用面接を受けたとき」の回答が約5割、「企業説明会やセミナーに参加したとき」が約2割。内容は「容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた」(30.8%)、「性的な話や質問をされた(性生活について尋ねられた、卑猥な冗談を聞かされた)」(21.6%)「答えたくない」(16.3%)と続く。

参考:【文部科学省】2019年度就職・採用活動に関する調査(大学等)調査結果報告>オワハラ、セクハラ、2020年度への不安

【内閣府】学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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