2019年11月19日、クラリベイト・アナリティクスの事業部門であるWeb of Science Groupは、科学・社会科学分野における世界最高峰の研究者を選出した高被引用論文著者リスト2019年版を発表した。

 高被引用論文著者(Highly Cited Researchers)リストには、特定出版年・特定分野における世界の全論文のうち引用された回数が上位1%に入る論文を複数発表し、後続の研究に大きな影響を与えている科学者や社会科学者が選出される。

 2019年度は、約60か国から科学・社会科学分野で活躍する6,217名が高被引用論文著者に選出された。高被引用論文著者を最も多く輩出した国はアメリカで、選出された全著者の44%を占める2,737名。2位は中国で636名、3位はイギリス517名だった。世界で最も多くの高被引用論文著者を輩出した機関はアメリカのハーバード大学203名。続いて、スタンフォード大学103名、中国の中国科学院101名、ドイツのマックス・プランク研究所73名だった。

 2019年の高被引用論文著者リストには、2019年ノーベル賞受賞が発表されたジョンズ・ホプキンズ大学のグレッグ・セメンザ氏(生理学・医学賞)、テキサス大学オースティン校のジョン・グッドイナフ氏(化学賞)、マサチューセッツ工科大学のエスター・デュフロ氏(経済学賞)の3名を含む、23名のノーベル賞受賞者が含まれている。

 また、一部の高被引用論文著者は複数の分野で選出されており、複数の分野に大きな影響を与えた論文に基づいて非常に優れた幅広い功績を挙げている研究者、つまりクロスフィールドのカテゴリーで受賞者が選出されたのは、今年で2年目となる。また、異例ともいえる11名の研究者が、3つの分野で高被引用論文著者として選出されるという非常に優れた功績を挙げた。

 加えて、オーストラリアの研究機関の目覚ましい躍進にも注目が必要だ。2014年に80名だった高被引用論文著者が、6年後の2019年に3倍以上の271名が選出された。また、一部の研究者は複数の分野で選ばれている。オーストラリアの研究機関は、2014年以降に非常に多くの高被引用論文著者を採用しているだけでなく、国内出身の高被引用論文著者の数も増えているという。

参考:【クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社】科学・社会科学分野における世界最高峰の研究者を選出した高被引用論文著者リスト2019年版発表

大学ジャーナルオンライン編集部

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