全国大学生活協同組合連合会は、2007年から毎年4月~5月に新入生の保護者を対象とした「保護者に聞く新入生調査」を実施しており、2019年度の調査結果を発表した。

 2019年度の調査によると、「受験から入学までにかかった費用」は、入学大学の設置者、専攻、住まいなど進路により大きく違い、平均額は国公立・自宅・理工系の場合が1,259,800円と最も低く、私立・下宿・医歯薬系の2,884,500円が最も高かった。費目別では「出願するためにかかった費用」が2018年に続き増加傾向が大きかった。特に国公立は127,000円と同じ基準で比較できる2008年以降最も高い金額となった。
また、費用準備の際に困ったこととして「受験料が増えた」が一般受験では25.3%でこの設問を始めた2014年以降最も高くなった。2020年度から変更される大学入試制度を念頭に、現役入学志向の高まりが受験学部数や受験費用の増加に表れたと思われる。

 「保護者の意識」については、大学に対する期待のうち「就職のための支援強化」は初めて調査した2013年の63.0%から12.1ポイント減少、特に文科系は14.3ポイント減少した。併せて子どもが大学生活を送る上での不安に「就職や将来のこと」(33.8%)をあげる保護者も2013年比7.7ポイント減(文科系 9.1ポイント減・理工系 7.3ポイント減)と、好調な就職状況を背景に「就職」に関わる保護者の不安も縮小傾向が見られた。このほか、保護者の入学までの行動として、オープンキャンパスから入試まで、子どもへの同行傾向は続いている。

 本調査は、新学期の大学生協の取り組みについての保護者の評価や、新入生が入学までにかかる費用、具体的なスケジュール、住まい探しや商品購入の際の意識を調査し、新学期事業の総括および次年度提案の基礎データとすることを目的に行われている。2019年度は全国123大学生協の21,531名の新入生(学部生)の保護者から回答が得られた。

参考:【全国大学生活協同組合連合会】2019年度保護者に聞く新入生調査の概要報告

大学ジャーナルオンライン編集部

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