中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルス感染症対策で、文部科学省は中国に留学中の日本人学生に対し、一時帰国を含む安全確保を検討するよう呼びかけた。日本人留学生が在籍する中国の大学に対しては、定期的な安否と所在の確認、不安解消に向けたサポートを要請している。
文科省によると、呼びかけでは外務省や在中国日本大使館から確実に連絡が届くよう日本人学生が在留届・たびレジに登録し、外務省ホームページで随時、最新情報を入手することを求めている。同時に、在籍する大学へ連絡先や情報の報告を行い、連絡を密にすることも必要とした。
「海外留学支援制度」、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の奨学金を支給する日本学生支援機構に対し、留学生から一時帰国の相談があった場合、留学計画の一時中断措置を取るなど奨学金支給で柔軟な対応を講じるよう求めていることも明らかにした。
新型コロナウイルス感染症対策で、外務省は湖北省全体を渡航中止勧告に該当する感染症危険情報レベル3、中国のその他の地域を不要不急の渡航自粛を求めるレベル2としたほか、世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると発表している。
厚生労働省によると、新型コロナウイルス感染症は1月末現在で世界20カ国以上に患者が拡大し、中国で200人を超す死者が出ている。日本でも訪日中国人や観光業者ら20人の患者が確認された。