東京都市大学の宇都正哲教授は、2015~45年の30年間で、東京圏の住宅資産価値が、最大約40兆円下落する可能性を明らかにした。特に、東京都心のターミナル駅からのアクセス時間が1時間以上かかる地域では、住宅資産価値が最大で3割以上下落するという。

 日本は人口減少が既に始まり、推計では2010年の1.3憶人をピークとし2065年には8,800万人まで減少する。東京圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)でも2025年以降に人口が減少に転じるとされる。また、新規住宅ニーズが低下し、資産デフレ、つまり住宅資産が減少する地域が多く出現する。高齢者世帯の家計資産に占める不動産比率は約6割と高く、資産デフレによる老後生活へのインパクトが懸念される。

 今回、東京圏の209自治体を対象に、国が公表している住宅地の面積と平均地価に基づき、1984年からこれまでのデータを分析し、2015年から2045年まで30年間の変化を試算した。住宅資産については建物を除く土地のみの価値を算出した。

 その結果、2015年から2045年の30年間に資産価値は、都心部(38自治体)では総額31.9兆円増大するが、郊外部(171自治体)では総額71.2兆円下落し、東京圏全体の損失額は約39.3兆円となる。96の自治体では2割以上資産価値が下落するが、東京都心ターミナル駅(東京、新宿、渋谷など)までのアクセス時間が1時間以遠の自治体では30年間に3割以上の住宅資産価値が下落する。1世帯あたりでは、500~1,000万円の住宅資産が消失する可能性がある。

 これにより、人口減少による住宅資産デフレは、地方部だけの問題ではなく東京圏にも大きく影響し、今後、老後の居住地選択における制約や金銭的不安などの社会問題が生じる可能性があるとしている。

参考:【東京都市大学】東京圏の人口減少による住宅資産デフレは30年間で最大約40兆円と試算 ― 1世帯あたり500~1,000万円の住宅資産が消失する可能性大 ―

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大学ジャーナルオンライン編集部

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