東邦大学医学部の吉田さちね助教、船戸弘正教授らの研究グループは、生後4カ月以上の乳児が両親に抱きしめられるとリラックスすることを突き止めた。両親に抱きしめられると初対面の女性に抱きしめられたときより心拍間隔増加率が高くなり、副交感神経が活性化しているとみられる。

 東邦大学などによると、心拍間隔は心臓の拍動の1拍と次の1拍の間の時間間隔を意味し、心拍間隔が長くなると心拍数が下がり、短くなると心拍数が上がる。研究グループは100組以上の0歳児とその親を実験室に招待し、親に子どもをかわいいと思ってギュッと抱きしめてもらった。

 その際に0歳児の心拍間隔を調べ、子育て経験を持つ女性に抱きしめられたときと比較したところ、両親に抱きしめられたときは心拍間隔の増加率が高まったのに比べ、他の女性では両親ほど高まらないことが分かった。

 おとなしく抱きしめられている乳児でも、抱きしめる相手によって生理反応が異なり、両親に抱きしめられるとリラックスしていたわけで、研究グループは4カ月以上の乳児は母親や父親に抱かれたときの感覚を記憶しているのではないかとみている。

 また、母親や父親も自分の子どもを抱きしめた際、9割以上が「安心する」と答えていたが、抱きしめることで自分の心拍間隔の増加率が高まり、リラックスしていた。

論文情報:【iScience】Infants show physiological responses specific to parental hugs

大学ジャーナルオンライン編集部

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