経団連と国公私立大学の代表者で構成する採用と大学教育の未来に関する産学協議会は、大学の9月入学への移行が議論されたことについて、大学のグローバル化に向けた議論が深まることを歓迎する声明を発表した。

 経団連によると、声明は日本の大学が欧米と同じ9月入学への移行を議論することがグローバル化につながるとして歓迎するとともに、外国語教育の充実や海外留学制度の拡充、外国人受け入れ制度の拡大、カリキュラム改革などを同時に進めるよう求めた。

 さらに、一部の大学で春入学・卒業に加え、秋入学・卒業を導入、社会に受け入れられていることを挙げ、大学の秋卒業導入の動きに企業側が積極的に対応するとしている。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で反グローバル化の動きが見られることについては、日本人大学生の海外留学が減少する恐れがあるとして懸念を表明した。

 現在、就職活動をしている学生に対しては、複数回の弾力的な採用活動の実施と適切な情報開示することを約束、大学の秋卒業実施検討を受け、通年採用やジョブ型採用の拡大を検討する方針を明らかにした。

 大学の9月入学は欧米と同じ制度に移行することで国際化の推進につながると期待する声もあるが、自民党ワーキングチームは29日、教育現場の混乱や国民的合意が得られていないことを挙げ、直近の導入が困難として事実上、先送りの方向を打ち出している。

参考:【採用と大学教育の未来に関する産学協議会】9月入学移行に関する考え方
現在、就職活動をしている学生の皆さんへ

大学ジャーナルオンライン編集部

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