大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC)の坂口志文特任教授が、ドイツのロベルト・コッホ賞を受賞した。授賞式は2020年11月にベルリンで行われる予定。

 ロベルト・コッホ賞とは、結核菌などの発見で知られ、自身や教え子から多くのノーベル賞学者を輩出したドイツの細菌学者ロベルト・コッホの名を冠したもの。ドイツ連邦共和国で最も高額賞金かつ名誉な賞とされ、特に医学研究の中から微生物学・免疫学分野の優れた研究者に対して与えられる。

 同賞は、コッホ賞とコッホ・ゴールドメダルの2つからなり、コッホ賞は新しい発見をした者に対し、ゴールドメダルは医学研究において優れた業績の蓄積がある者に対して与えられる。

 今回、坂口志文特任教授は、コッホ賞を受賞。制御性T細胞(Treg)を発見し、免疫における自己寛容の機構(免疫細胞が自分を攻撃しない仕組み)を明らかにしてきた。その後の研究で、ガン免疫療法におけるTregの働きにも大いに期待がかけられている。

 坂口教授にはコッホ財団から、コッホ賞の賞金として120,000ユーロ贈呈される。なお、ゴールドメダルは、ドイツのマックス・プランク感染生物学研究所の所長であるトーマス・マイヤー博士が受賞した。

 過去の国内のコッホ賞受賞者は長田重一特任教授、審良静男特任教授(いずれもIFReC)、本庶佑特別教授(京都大学、2018年ノーベル医学・生理学賞)ら。ゴールドメダルは大村智特別栄誉教授(北里大学、2015年ノーベル医学・生理学賞)、岸本忠三特任教授(IFReC)ら3人の日本人受賞者がいる。ロベルト・コッホの直弟子が日本近代の感染症学・免疫学の祖である北里柴三郎。

参考:【大阪大学】坂口志文先生がロベルト・コッホ賞を受賞

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