クリエイター専門の人材エージェンシー株式会社ユウクリが運営する「美大芸大就活ナビ」では、2021年卒業の美大生・芸大生125名を対象に、2020年6月時点での「就職活動状況」を把握するアンケートを実施した。

 クリエイティブ職種の採用は、主に自社商品・自社サービスの開発と販売促進の2種類に分類される。コロナ禍によってメーカー・事業会社の採用が鈍化していることに加え、販売促進を生業とする制作会社は、そもそも新卒採用開始時期がやや遅めであることに加え、イベント中止・商業施設の閉鎖などにより経営そのものに大きな影響を与えている。

 そうした状況を反映して、調査の結果、1社以上から内定を得ている美術学生は、わずか10%にとどまり、約9割の美術学生が内定を獲得できてないという状況がわかった。実際に内定を得られている10.4%の学生の業種は、メーカー・事業会社などの非制作会社系が76.9%、制作会社系は23.1%と大きく差が開いた。

 面接通過状況に関しては、72%の学生が面接段階まで進んでいるものの、最終面接へ進んだ学生は24%でとどまっている。コロナ禍により採用選考が途中でストップするケースや、採用スケジュールの後ろ倒し・見合わせにより求人数が絞られたことで、採用判断基準が例年よりも上がったものと思われる。

 調査では学生から「企業側の選考期間が長期化しており、どうしてもモチベーションが下がる」「環境のせいにしてはいけないが、悲観的になることが多い」「休校でキャリアセンターへ就活の相談が出来ないのでどうすればよいか分からない」といった声が寄せられた。またオンラインでの選考対策に関しても、美術系学生は多くの懸念があることがわかったという。

参考:【株式会社ユウクリ】【21卒】美術系学生に就職活動におけるアンケートを実施しました

大学ジャーナルオンライン編集部

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