慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンターは、ブロックチェーンを用いた個人情報の管理・活用を実現するシステム開発に関する研究を開始する。学生と企業のマッチング支援を行うInstitution for a Global Society株式会社(IGS)との共同研究で、参画企業との三者による実証実験を通じて学生と企業を繋ぐプラットフォームの社会実装を目指す。

 ビッグデータ社会において、企業戦略としてのデータ活用が重要になる一方で、個人情報の不適切な利用に対する危惧から世界的に個人情報に関する規制の厳格化が進んでいる。日本国内では、2020年6月に「改正個人情報保護法」が公布されるなど、企業には、個人情報保護とパーソナルデータ活用の両立が求められ、大学にとっては学生の個人情報を守りながら学生のキャリア支援を強化・改善することが責務となっている。

 今回の「STAR(Secure Transmission And Recording)プロジェクト」では「学生の個人情報を、学生自身の手に戻す」をテーマに、個人情報の管理・活用を実現するシステムを開発する。学生の個人情報提供における安全性と透明性の確保、学生と企業双方を利する個人情報活用戦略の研究、学生と企業のマッチング精度向上を目指す。

 具体的には、ブロックチェーンのトレーサビリティ機能に暗号技術などを組み合わせて個人情報を保護し、学生が自分のパーソナルデータの開示先、開示範囲、開示期限を自由かつ完全にコントロールできるようにする。学生は情報提供依頼があった複数の企業に対し開示先・開示範囲・開示期間を自ら選択できるほか、教員、先輩や友人など、周囲からの客観的な評価を企業に開示することができる。企業は少ない接点からでも学生の能力や特徴を多面的に知ることができる。さらに、開示不要となった記録は消去が可能となるため個人情報が管理しやすくなる。

 プロジェクトへの参画企業は一業種一社に限定し20社以上を目指すが、開始時点は、株式会社三菱UFJ銀行、SOMPOホールディングス株式会社、住友生命保険相互会社の3社。参画企業は、本システムを利用し個人情報保護に留意した上で、企業と学生のコミュニケーションを促進するシステム運営方法について実証研究を行う。3年間の研究期間の終了後もこのシステムを存続・発展させ、一業種一社に限ることなく広く企業の参加を募ることを目指す。

参考:【慶應義塾大学】慶應義塾大学FinTEKセンターとIGS、ブロックチェーンによる学生の個人情報管理プラットフォームを共同開発 三菱UFJ銀行、SOMPOホールディングス、住友生命が実証研究に参画(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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