工学院大学(東京都新宿区)建築学部建築デザイン学科 冨永祥子准教授が設計した弓道場・ボクシング場(八王子キャンパス)が「IOC/IAKS Award 2015」で銅賞を受賞したと、2016年1月8日同大学より発表されました。
この賞は、IOC(国際オリンピック委員会)と IAKS(国際スポーツレジャー施設協会)が主催する世界の優れたスポーツ・レジャー施設などを表彰する国際的な建築賞。今回は、カナダ、ブラジル、オーストラリア、ドイツなどから129のプロジェクトの応募がありました。応募作品は6つの部門ごとに審査が行われ、同大学の弓道場・ボクシング場は「スポーツ・レジャー・レクリェーションのための屋外施設」の部門において、日本の伝統建築を現代に美しく昇華したデザインが評価され銅賞を受賞。
受賞した施設は学園創立125周年の記念事業の一環として2013年6月に完成した同大学初の木造建築で、延べ床面積は弓道場139平方メートル、ボクシング場92平方メートル。意匠を凝らしつつ、ローコストで安全性も確保しています。主な特徴は「素材」と「構成」にあり、「素材」は普段市場に出回らない国産の食害材や小径材を積極的に活用し、加工の一部を地元業者に依頼することでコストを抑えました。
これら限られた品種の「素材」を生かすため、両施設で日本建築の伝統に現代の合理性を合わせた「構成」を採用。弓道場は、主に小径材を用いた格子構造、ボクシング場は主に食害材を利用した持ち送り構造にしました。共に日本建築の持つ水平垂直の美を踏襲しつつ、技術的にはどちらも荷重を分散させながら、ビスやネジによるシンプルな接合部を実現しています。
両施設は、2015年日本建築学会賞(作品)など多数の国際的な賞も受賞。