昭和女子大学(東京都世田谷区)グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科 平尾光司ゼミでは、2016年2月16日「日本酒の女性市場拡大等に関するアンケート調査」について報告。どのようなタイプの日本酒が若い女性の嗜好に合うかを調査し、女性ファン獲得に効果があると思われる戦略を提言しました。

 日本酒は、日本人が誇りにする日本文化の一つでありながらも、近年、生産量や製造者数は激減しており、市場も縮小傾向。その一つの要因として多く指摘されるのが“若者の日本酒離れ”と言われています。こういった背景から、日本酒市場の拡大と発展に貢献することを目的に、同ゼミでは2015年度のゼミ活動の一環として「日本酒の女性市場拡大と国際化」をテーマに調査を実施。同アンケート調査や、蔵元数社へのインタビュー調査などに取り組んできました。

 同アンケート調査は、同大学現代ビジネス研究所 熊坂敏彦研究員と平尾ゼミとの共同研究プロジェクトとして、18歳~23歳(平均20歳)の同大学学生468人を対象に2015年11月に実施。調査結果から、(1)アルコール飲料の中で日本酒を好んで飲む女子大生の割合は少ない(2)女子大生は果実酒やチューハイなど、ジュースのように飲みやすくアルコール度数の低いお酒を好む傾向があり、独特の風味やアルコール度数の高い日本酒はあまり好まない(3)女子大生の日本酒の好みは「軽快でさらり」「甘い」「香りが高い」(4)女子大生は「有名(ブランド)」 「おしゃれ」 「流行」「ファッション」などに敏感であり、「価格へのこだわりも強い」ということがわかりました。

 上記のような日本酒ビギナーの女子大生の傾向を踏まえ、日本酒の女性市場拡大のためには「高品質化(味と匂いの改善)」「低アルコール化」「低価格化」「ブランド化」などの「経営革新策」が必要であり、また、日本酒と和食との相性のPR、イベントや女子会など飲酒機会の創出、日本酒の知識や作法の伝授、情報発信など、具体的な施策も重要であると提言しています。

大学ジャーナルオンライン編集部

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