大学入試センター試験に代わり、2020年度から実施される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」で、受験機会を増やす複数回実施を当分の間、事実上見送ることが、文部科学省の有識者会議に提示された最終報告案で明らかになりました。記述式問題の採点には民間委託のほか、人工知能の活用も検討します。最終報告は3月中にまとめられ、了承される見込み。

 文科省の最終報告案によると、2020~2023年度はマークシート方式に加え、国語を中心に最大80字の短文記述式問題を導入します。24年度以後は長文記述式問題も採用する一方、コンピューターによる出題、解答方式の導入を検討します。

 受験機会を増やす年複数回実施に対しては、高校側に受験準備期間の前倒しで校内行事に影響が出るなどと不安視する声が出たため、「引き続き検討する」との表現にとどめ、事実上先送りしました。

 受験日程は記述式とマークシート方式を切り離して記述式を先に行う案と、同じ日に実施する案を併記しています。記述式問題の採点結果は1点刻みより幅を持たせた評価が適しているとし、「A~E」といった段階別に表示します。

 文科省の有識者会議では、丸暗記の知識量だけを重視してきた従来の出題方式を改め、思考力や判断力も測る方向にしようと、試験の複数回実施や記述式の導入を検討してきました。

参考:【文部科学省】高大接続システム改革会議(第13回) 配付資料

大学ジャーナルオンライン編集部

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