金沢工業大学(石川県野々市)は、特色ある課外教育プログラム「KITオナーズプログラム」において2016年3月、新たに「人工知能プロジェクト」をスタート。 同プロジェクトの担当教員は、データサイエンスが専門で、グーグル株式会社での勤務経験もある情報工学科の中野淳教授。全学科の学生が対象で、プログラムを書くことが好きな学生などに参加を呼び掛けています。
同プロジェクト発足の背景としては、近年、人工知能の発展がめざましく、画像認識、音声認識、自動運転車、また、将棋や囲碁などの戦略ゲームにおいて、人間並み、あるいは人間を超えた能力を有するシステムが開発されていることがあげられます。さらに、機械学習の一手法である深層学習の理論面・実用面での急速な進歩があり、それは市民生活や社会全体を大きく変える可能性を持っていると考えられています。
このような稀有な変革期において同大学は、技術の進展の傍観者となるのではなく、その本質を理解し積極的にその応用に関わっていくことで、高度な専門知識・技能を取得するため、同プロジェクトを立ち上げました。最初のテーマとして「コンピュータ囲碁プログラムの開発」に取り組み、コンテストへの参加を予定しています。
同大学の「KITオナーズプログラム」は、“自ら考え行動する技術者”に成長することを目指して、学生自ら目標を設定し、それを達成するために活動する自己目標達成プログラムで、今回発足したプロジェクトの他にも7種類を用意。なかでも「夢考房プロジェクト」は、学生メンバーが立案・調査・設計・製作・分析・評価という一連のモノづくりのプロセスを体験できることから学外からも注目を集めており、学生自らスケジュール管理、予算管理、組織運営を自主的に行うことが特徴。ソーラーカーやロボット、人力飛行機、建築デザインなど14のプロジェクトに分かれて活動しています。