北海道大学水産学部の附属練習船「おしょろ丸」が、公益社団法人日本船舶海洋工学会主催の「シップ・オブ・ザ・イヤー2014漁船・作業船部門賞」を受賞し、その表彰式が2015年7月27日、東京の海運クラブで行われました。
今回で25回目となるシップ・オブ・ザ・イヤーは、その年の1年間に日本国内で竣工した船舶および海洋構造物の中から、技術的、芸術的、社会的に優れたものを表彰する制度です。1990年から毎年開催され、技術的、芸術的に優れた船舶や海洋構造物の建造を促進することで、社会生活の進展に貢献し、広く社会一般にも海洋思想の普及を図ることを目的としています。
漁船・作業船部門賞を受賞した同大の「おしょろ丸」は、1909年から100年以上にわたって、日本の海技教育と水産科学の発展に貢献してきた初代船舶「忍路丸から数えて5代目になります。全長78.27m、最大搭載人員99名の「おしょろ丸」は、極域まで航行可能な耐氷構造をもち、電気推進システム(推進電動機・1,000/300kw×2基、推進器・可変ピッチプロペラ4翼×1基)と防振・防音設計により、高い調査・実習能力および居住性を持った高性能な調査船であることが評価されました。
「おしょろ丸」は、水産科学関連分野の研究や実習に利用されるだけでなく、国内外の大学や研究機関との国際共同研究などへの利用のほか、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた水産業の復興支援も行います。