東京都立大学大学院の谷茉莉助教らの研究グループは、市販の子供用玩具の砂粒同士が強く相互作用することに着目し、この砂が通常の砂に20%程度加わると、混合砂の力学特性が大きく変化することを明らかにした。新奇材料の開発や、土木や災害関連分野までの広い分野への貢献が期待される。

 砂、小麦粉や米、ビーズなどの細かい粒子の集合体は、粉体とか粉粒体と呼ばれる。一粒一粒は固体だが、集合体は液体的にも固体的にも振る舞う。特に、粉粒体に少量の液体が加わると、液体が砂粒の間を橋渡し(液架橋)して、乾いた粉粒体よりも極めて頑強になる。子供用玩具のシリコンオイルコーティングされた珪砂は、経年変化が少なく、安定的に力学特性を制御できる。研究グループは、この砂を、乾いた粉粒体、濡れた粉粒体に次ぐ第3の粉粒体候補として着目した。

 この子供用玩具の砂を顕微鏡で観察すると、コーティングされた粒子同士を接触させてから引き離した時に、液体の「糸」、すなわち液架橋が生成された。そこで、2種類の砂の混合比を変え、混合砂の力学特性の変化による自重耐久性を調べる実験を実施。その結果、通常の砂に20%程度混合したときに砂の自重耐久性が著しく増加することが分かった。相互作用するコーティング砂がネットワークを形成し、自重に対して強くなるためとみられる。

 流れや安定性の異なる粉粒体の発見やこれらの制御は、コンクリートなどの新奇材料の開発や、トンネル工事や土砂崩れ防止などの土木や災害関連分野まで広範囲に関係する。簡単・安定的に砂の力学特性を制御できることを示したこの研究結果は、これらの多くの分野への貢献が期待される。

論文情報:【J. Phys. Soc. Jpn.】Transition Behavior in Silicone-coated Sand Mixtures

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