東京都千代田区立麹町中学校の1年生32名が、2021年3月12日、城西国際大学東京紀尾井町キャンパスを訪れ、メディア学部で体験実習を行った。
麹町中学校では3年前から、キャリア教育の一環として「ミライ探究フィールドワーク」を実施している。1年生が企業や大学、専門学校などを訪問し、さまざまな仕事や高等教育の学びに触れ、「未来の自分」をイメージし、進路を考えるきっかけを得ることが狙い。現在、コロナ禍ではあるが、城西国際大学と麹町中学校は徒歩3分に位置することから、安全に移動でき、また、本格的な学習の機会を提供したいという大学教員の思いもあり、この日の体験実習が実現した。
生徒たちは「映像」「アニメ・CG」「芸能」「ステージ」の4分野のなかから希望するテーマを受講。「映像」を専門とする竹藤佳世准教授からは、テレビやウェブサイトで公開されている動画の撮影方法を教えてもらったり、「アニメ・CG」分野では担当の高桑真恵准教授、中村陽介助教の指導でブラシやタッチペンを駆使して24インチのタブレットへの描画に挑戦したりした。
地下のスタジオでは、「ステージ」担当の中川晃助教が照明や音響の機材操作の実演を披露した。ダンスをする学生の動きに合わせて照明の色調や強弱を変えたり、音楽の音量や音質を調整したりすることで得られる「ステージ映え」効果に、生徒らから驚きの声が上がった。
「芸能(演劇)」を選択した生徒は、2班に分かれ、昔話「桃太郎」の演出に挑戦。場面や人物を緻密に設定することが大切であると望月純吉准教授からアドバイスを受け、桃太郎の生い立ちやおじいさんが桃を拾った動機によって、演じ方や見せ場が大きく変化する演劇表現の楽しさを学んだ。
生徒からは「テレビ番組を作るには多額な費用がかかると知り、驚きました」「本格的なカメラセッティングを体験ができて、感動しました」「違った演出の視点で考えると、作品のテーマが変わることが分かり、面白かったです」「人生初のバーチャル体験ができて楽しかった」「照明をつけるタイミングやボリュームでステージ全体の雰囲気がガラッと変わり、重要な役割を果たしていると分かった」など、実感のこもった感想が聞かれた。