首都圏にキャンパスを置く私立大学新入生の受験から入学までの費用が自宅通学生で過去最高となる一方、自宅外通学生の仕送りから家賃を除いた生活費が過去最低になっていることが、東京私大教連の調査で明らかになった。コロナ禍で高い学費が保護者と学生に大きな負担となっている。
調査は2020年5~7月に首都圏4都県の明治大学、獨協大学など9校の学生を対象に実施し、約5,400の有効回答を得た。それによると、受験から入学までの費用は、自宅外通学生が220万1,023円で、前年度より4,300円減ったものの、自宅通学生は159万8,523円と前年度を1万700円上回って過去最高を記録した。
入学の年にかかる費用は自宅外通学生で295万5,623円。前年度を4万2,200円下回ったが、保護者世帯の税込収入に占める割合が31.9%に達し、重い負担になっていることは変わらない。
5月の仕送り額は平均8万8,900円で、前年度より8,800円少なくなり、初めて9万円台を割り込んだ。出費が落ち着く6月以降の平均額は8万2,400円で、こちらも過去最低となっている。
家賃の平均額は前年度より800円高い6万4,200円。6月以降の平均仕送り額の占める割合は77.9%に達した。6月以降の平均仕送り額から家賃を除いた生活費は、1万8,200円しかなく、1日当たりで計算すると607円。これまで過去最低だった2018年度の677円を70円下回り、過去最低に落ち込んでいる。
コロナ禍で保護者の収入が減少する中、学生はアルバイト先がなかなか見つからない状況。このため、親子そろって生活に困窮する姿が調査結果から浮かび上がる。