少子化の影響で小中高校の在学児童、生徒が減少する中、大学生数が前年度より1万1,000人増えたことが、文部科学省の学校基本調査(速報値)で分かった。大学進学率が依然として上昇しているためで、進学率は過去最高を記録している。

 調査は2016年5月1日現在で、全国の幼稚園から大学院までを対象に在学者数、教員数、卒業者数、進学者数、就職者数などを調べた。熊本県内は熊本地震のため、大学、短期大学、高等専門学校以外の数字が入っていない。

 それによると、全国の大学総数は777校で、内訳は国立86校、公立91校、私立600校。公立が2校増えたものの、私立が4校減ったため、総数は前年度より2校少なくなった。このうち、法科大学院も私立が3校減り、69校に減少している。短期大学は5校減って341校、高等専門学校は前年度と同じ57校だった。

 在学者数は大学全体で287万3,000人。前年度より1万3,000人増えた。うち、学部生は256万7,000人で、前年度を1万1,000人上回った。
大学学部の女子学生は前年度より1万4,000人多い114万1,000人に達し、過去最高を更新した。女子が占める割合も44.5%となり、過去最高になっている。

 短期大学生は女子の4年制志向が影響し、前年度より4,200人少ない12万8,000人となり、過去最低を更新した。1993年度にピークを迎えたあと、減少の一途をたどっているが、その傾向に歯止めがかからなかった。

 少子化の中、大学の学生数を増やしたのは進学率の上昇。浪人生も含む大学、短期大学進学率は前年度より0.3ポイント高い56.8%、大学学部への進学率は前年度を0.5ポイント上回る52.0%。ともに過去最高を記録した。

参考:【文部科学省】学校基本調査-平成28年度(速報)結果の概要-

大学ジャーナルオンライン編集部

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