株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースは、2022年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に「ダイヤモンド就職先人気企業ランキング調査」を実施した。
「文系男子」の人気企業ランキングでは、伊藤忠商事(1位)、三菱商事(4位)と総合商社2社がトップ10入り。伊藤忠商事は、コロナ禍の影響を受けながらも時価総額で総合商社1位をキープし、ウィズコロナで働き方の変化に対する関心が高まる中、産業界に先駆けて導入した朝型勤務など先進的な取り組みも好感されているようだ。
これまで文系男子に絶大な支持を得てきた総合商社だが、トップ10にわずか2社なのは、2001年調査以来20年ぶりのこと。コロナの感染拡大による世界的な経済活動の停滞で、資源・エネルギー価格が下落していることや投資先の業績悪化など厳しい事業環境により総合商社人気は二極化したといえる。
「理系男子」では、ソニーグループが2003年調査以来18年ぶりに1位を獲得。コロナ禍の巣ごもり需要の継続も影響し、特にゲーム・ネットワークサービス分野、音楽分野で大幅な増収増益。好調な業績とともに人気が復活した。専攻分野での学びを仕事で活かせるか重視する傾向がある理系学生にとって、活かせる経験・スキルを明示し、60コースにおよぶ職場密着インターンシップなどを提供するソニーグループは魅力的なようだ。
また、毎年コンスタントに理系採用を継続し、幅広い事業領域で理系の活躍フィールドがあることが学生にも浸透している総合商社は、三井物産(2位)、伊藤忠商事(3位)、三菱商事(9位)がランクイン。一方、コロナの影響が業績を直撃し、文系男子で大きく順位が後退した運輸業界だが、理系男子では、東海旅客鉄道(JR東海)は6位、東日本旅客鉄道(JR東日本)は7位と人気を維持した。
「文系女子」では、東京海上日動火災保険(1位)、三井住友海上火災保険(3位)、損害保険ジャパン(4位)とメガ損保が人気。女性が安心して長く働ける環境と、入社後に実際に制度を活用できるのかを重視する傾向がある文系女子にとって、東京海上日動火災保険は、全社員の約半数を女性が占めており、常務執行役員を含め、女性執行役員が3名とロールモデルも豊富。
また、巣ごもり需要で電子書籍を中心に業績が好調な講談社(8位)、ニューノーマルを見据え「非接触」「遠隔」などのテーマで「未来のあたりまえ」への取り組みを伝えた大日本印刷(10位)がトップ10入り。
「理系女子」では、森ビルが調査開始以来初の1位を獲得。NTT都市開発(2位)、三井不動産(3位)とデベロッパー3社が上位を独占する異例の結果となった。機電からバイオまで、理系学生の専攻を幅広く生かせる業界として、高い人気を誇る食品業界も日清製粉グループ(5位)、森永製菓(6位)、明治グループ(7位)、味の素(9位)と4社がトップ10入りした。
※「ダイヤモンド大学生が選んだ就職先人気企業ランキング」は1978年の調査開始以来44年回目。調査対象は、ダイヤモンド就活ナビ2022に会員登録している、就職活動中の大学3年生と大学院1年生。有効回答:5,637名、調査期間:2020年11月27日~2021年3月22日
参考:【株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース】速報!!大学生が選んだ就職先人気企業ランキング2021年【春】(2022卒・就活後半戦)