奈良県にキャンパスを置く国立大学の奈良教育大学と奈良女子大学の統合を含む国立大学法人法の一部改正案が参議院で賛成多数により可決、成立した。これにより、両校は法人としての奈良教育大学を奈良女子大学に統合する形で2022年4月、国立大学法人奈良国立大学機構を発足させる。
奈良女子大学によると、両校は2018年7月から法人統合の検討を進め、2019年に法人統合の合意書を結んだ。両校は2022年度から奈良国立大学機構の下で新たな一歩を踏み出す。
法案成立を受け、奈良教育大学の加藤久雄学長、奈良女子大学の今岡春樹学長は「両校はそれぞれの自律性を維持しながら、強みとブランド力を生かして社会の要請に応えられる法人運営を目指す」とする談話を発表した。
法人統合は少子化が進む中、大学の競争力を強化し、経営効率を高めるのが狙い。将来的には奈良先端科学技術大学院大学、奈良工業高等専門学校、奈良文化財研究所、奈良国立博物館の国立4機関と連携し、教育研究の場である「奈良カレッジズ」を構築する構想も持っている。
文部科学省によると、大学に進学する18歳人口は2017年で120万人を数えたが、今後急激な減少が続き、2032年に100万人を割ると推計されている。国立大学の中でも学生の減少で存続の危機に立たされるところが出るとみられ、国立大学統合の動きが全国で見られる。