大学や高等専門学校、独立行政法人が2019年度に実施した国際研究交流で、海外への短期派遣、海外からの受入研究者の数が新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅に減少したことが、文部科学省の集計で分かった。

 文科省によると、調査は2019年4月から2020年3月にかけて全国の大学や高等専門学校、独立行政法人合計908機関が実施した国際研究交流の状況を集計した。

 海外への短期派遣研究者数は15万4,426人。1990年代から右肩上がりで増えてきたが、新型コロナの影響を受けて前年度の17万2,867人から10.7%減少した。中長期の派遣研究者数は4,178人で、前年度を2.6%下回っている。

 海外からの短期受入研究者数は2万1,398人。前年度の2万6,152人から18.2%減った。増加傾向が長く続いてきたが、新型コロナ感染防止の入国制限が影響したとみられ、2011年の東日本大震災後と同程度の大幅減を記録している。中長期の受入研究者数は1万3,280人で、前年度を0.8%上回った。

 派遣研究者が多い大学はトップの東京大学をはじめ、2位の京都大学、3位の大阪大学など国立大学が中心。新型コロナの終息が見通せない以上、派遣、受入研究者の急激な減少が今後もさらに続きそうな状況であることを考えると、国立大学の研究活動への影響が心配されている。

参考:【文部科学省】国際研究交流の概況(令和元年度)

大学ジャーナルオンライン編集部

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