東京大学と日本貿易振興機構(ジェトロ)は、スタートアップエコシステムの発展およびイノベーションの創出、高度グローバル人材の育成・活躍等を柱にした包括的連携推進協定を締結した。
本協定は、東京大学とジェトロが連携して国際的な産学連携、人材教育、学術研究を推進し、もって日本国全体および国内各地域の発展、人材育成に寄与することを目的としている。
東京大学関連のスタートアップは年々増加しており、2020年12月時点で累計約400社、うち21社がIPOを実現し、上位5社の時価総額が約1.4兆円に上る。さらに、今後は世界レベルのスタートアップエコシステムとして発展を遂げるべく、様々な取り組みを行っている。
ジェトロは、2019年4月に開始された第五期中期目標期間(2019年度~2022年度)において、「対日直接投資やスタートアップの海外展開等を通じたイノベーション創出支援」に注力。スタートアップの海外展開支援の面では、世界29ヵ所のスタートアップエコシステム先進地域において、現地有力「アクセラレータ※」等と提携し、日系スタートアップのグローバル展開を支援する「ジェトロ・グローバル・アクセラレーション・ハブ」を設置している。
今回の協定締結を契機に、東京大学とジェトロが有するリソースを組み合わせ、世界を視野に入れたイノベーションの創出を推進し、我が国の経済発展と人材育成に貢献することを目指す。
また、2018年から両機関が連携し、東京大学の留学生とジェトロが支援する外資系企業との交流会を開催しており、今後も継続的に実施していく。さらに、ジェトロが有する海外市場や現地のスタートアップ情報を東京大学におけるアントレプレナーシップ教育に活用するとともに、ジェトロの海外ネットワークの関係者の協力を得て国際的なビジネスプランコンテストを企画するなど、海外市場を視野に入れたグローバルなビジネス展開ができる人材の育成などに取り組む。
※アクセラレータは、スタートアップのビジネス拡大に焦点を当てた資金投資やノウハウなどのサポートをする組織