東京大学 大学院情報理工学系研究科 山崎研究室と、メディア対応でのコミュニケーションスキルを学ぶ研修プログラム“メディアトレーニング”を提供する株式会社プラップジャパンは共同で、企業・団体が行う記者会見や新製品発表会などの印象解析・数値化に関する研究を2017年1月から本格的に始動する。

 記者会見は、広く情報発信をする広報・IR活動において重要な手法であり、企業・団体・著名人の印象に大きな影響を与える。新しいトップの就任や新商品の発売などのポジティブなニュースだけではなく、謝罪会見などのネガティブなニュースの場合、評価や成否によってはその企業や団体にとって重大なリスクを招いてしまう。

 聴衆に直接語りかけるプレゼンテーションと異なり、特に報道向けの記者会見の内容はメディアを通じて一般の人に届けられる。メッセージを的確に伝えるためには、スポークスパーソンや登壇者にも高いメディア対応リテラシーとコミュニケーション技術の事前練習が必須となる。

 今回の研究では、メディアトレーニングの知見を持つプラップジャパンと、プレゼンテーションの解析など「印象」や「魅力」にまつわる研究を行ってきた山崎研究室とが互いの知見と専門性を掛け合わせ、文章・音声・映像解析によって記者会見でのスポークスパーソンの印象に影響をおよぼす要素について、人工知能を用いて解析・深層学習させる。

 また、解析結果を数値化し、定性・定量の両面から評価を可能にするシステム開発を目指し、会見が与える印象に対して客観的で精度の高い評価が行えるようにする。これにより、本番会見前の予行演習で成否をある程度事前予測することが可能となるほか、人工知能に提示された明確な課題をメディアトレーニングで修正する事で、実際の会見時の対応力が向上し、広報・IR 活動の最適化が図れるという。

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