東北大学(宮城県仙台市)災害科学国際研究所は、東日本大震災の津波の発生状況・被害を映像で辿ることができる動画検索システム「動画でふりかえる3.11-東日本大震災公開動画ファインダー-」を公開。当時、何が起きたかを検証し、今後被害を繰り返さないために、地図上で動画を検索できるシステムを開発した。このサイトは、一般の人が当時の様子を動画情報で振り返ることで、どこでどのような被害があったのか、被災の状況をイメージしながら津波に対する正しい知識や認識を持ってもらうことを目的としている。
2011年3月11日に未曾有の大災害である東日本大震災が発生。太平洋沿岸部には巨大津波が襲来し、多くの犠牲者が出た。震災の発生から6年が経過しようとする現在も津波襲来時の沿岸部の様子など、悲惨な被災現場を記録した動画がインターネット上に数多く公開されている。しかし、位置情報とともに公開されている動画は多くはなかったため、同研究所は目視によって「撮影された場所」を特定する作業を行った。そして、特定した場所を地図上にプロットし、場所検索を可能に。 さらに、「津波直後」「津波襲来」「地震発生時」の軸でも分類し、検索できる仕組みも開発。現在、約1,700件の動画がリンクされている(2017年2月時点)。
同検索サイトの具体的な用途としては、自分の住んでいる地域と似ている場所の動画を確認することで、起こりうる被災の状況をイメージしたり、避難行動をシミュレーションしたりするなど、自主防災組織や行政職員が地域の防災を考えるためのワークショップを開催する時などを挙げている。
:【東北大学】津波の来襲状況や被害に関する動画検索システム「動画でふりかえる3.11 ―東日本大震災公開動画ファインダー―」を公開しました