政府は新型コロナウイルス対策などを柱とする2021年度補正予算案を閣議決定した。文部科学省関係予算は1兆5,487億円で、困窮した大学生らに支給する10万円の緊急給付金予算として675億円などが盛り込まれた。
文科省によると、給付金の対象は国の修学支援制度利用者に加え、実家を出て生活しているが、多額の仕送りを受けていない学生らを想定している。文科省は対象となる学生が全国に約67万人いるとみている。
このほか、新型コロナ関係では、コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援や日本への入国が困難な外国人留学生に対するオンラインによる日本語教育などに併せて621億円、国産の新型コロナワクチン開発に向けた世界トップレベルの研究拠点形成に515億円などが盛り込まれた。
大学関係では、世界トップクラスの研究大学実現に向けた大学ファンドの創設に6,111億円、博士後期課程学生の処遇向上に400億円、人工知能や量子などの研究の抜本的強化に680億円、大学の研究基盤強化に291億円などを計上している。
それ以外では、宇宙開発に686億円、経済安全保障に欠かせない重要技術の開発に1,250億円、個別で最適な学びを実現するGIGAスクール構想の推進に215億円、学校施設の整備に2,249億円などを投じるとしている。
鈴木俊一財務相は補正予算の年内成立を目指す考えを明らかにしている。
