吉村美栄子山形県知事、相澤益男科学技術振興機構顧問ら山形大学経営協議会の学外委員9人が、国立大学法人の機能強化に向けて国の支援充実を求める声明を発表した。地域社会を支える地方国立大学の機能を維持・強化するために、運営費交付金の拡充などを求めている。
山形大学によると、声明は9人の学外委員の連名で発表された。山形大学が1949年の開学以来、10万人を上回る人材を社会へ送り出しただけでなく、さまざまな社会的課題の解決に取り組み、地域社会の発展に貢献してきたと主張した。そのうえで、全大学を共通の指標で一律に評価して交付する運営費交付金の傾斜配分では、各大学の特性に応じた経営努力が軽視され、最も重要な教育力や研究力の向上につながっていないとして、現在の仕組みを批判している。
山形大学が地域発展に貢献するため、さらなる機能強化を進めていくうえで、短期的な政策や社会状況の変化に左右されない安定した財源の確保が欠かせないとし、運営費交付金が極めて重要な財源になるとした。このため、現在の全国一律の評価による傾斜配分の決定を改め、各大学の個性に応じた事業提案に基づく配分、長期的な視点による評価を組み合わせた新たな配分への見直しを求めている。
玉手英利学長と6人の理事は学外委員の声明を受け、学外委員の要望が山形大学の中期目標を達成するために必要な措置であり、国立大学への財政支援をより充実させてほしいとする声明を発表した。