2021年12月27日、閣僚と民間有識者で構成する教育未来創造会議の初会合が首相官邸で開かれ、岸田文雄首相は新型コロナウイルス感染拡大により大学で増えているオンラインの遠隔授業を現行の単位上限を超えて実施できるよう規制緩和する方針を明らかにした。

 首相官邸によると、岸田首相は会議での議論に先立ち、直ちに取り組める事項として人材育成への投資と大学の機能強化の推進、デジタル技術を駆使したオンライン教育の拡大、大学の経営改革推進の3点を挙げた。

 この中で岸田首相はオンライン教育について「高等教育の新たな可能性を切り開くため、対面授業と遠隔・オンライン教育の双方の良さを生かし、大学の創意工夫でオンライン教育を現行の単位上限を超えて実施できるようにするなど、規制を緩和する特例を設けていく」と述べた。

 教育未来創造会議は教育再生実行会議のあとを受けて岸田内閣の下に設置された。岸田首相が議長、松野博一内閣官房長官と末松信介文部科学相が議長代理を務め、総務、財務など7人の閣僚と、清家篤日本私立学校振興・共済事業団理事長、益一哉東京工業大学学長、阿部守一長野県知事ら15人の民間有識者で構成する。

 会議では大学の機能強化や学びの支援、学び直しの環境整備などについて議論を重ね、2022年の初夏までに第1次提言の取りまとめを行う予定。

参考:【内閣官房】第1回教育未来創造会議配布資料
【首相官邸】令和3年12月27日教育未来創造会議

大学ジャーナルオンライン編集部

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