新型コロナウイルスの感染拡大が続いた2021年度に大学などを中退した学生は前年度よりわずかに減少したものの、コロナ禍を理由に挙げた学生が増えていることが、文部科学省の全国調査で明らかになった。

 調査は全国の国公私立大学、短期大学、高等専門学校を対象に2021年度末時点の中退者、休学者など学生の就学状況を聞き取った。回答率は96.0%。

 それによると、2021年度の中退者数は5万7,875人で、前年度の5万7,913人をわずかに下回った。学生総数に中退者が占める割合は1.95%で、前年度と変化なかった。このうち、コロナ禍を中退理由に挙げた学生は2,738人。前年度の2,024人に比べ、35.3%増えている。

 オンライン授業や学内への立ち入り制限などが続いたせいか、学生生活不適応や修学意欲の低下を理由に挙げた学生も前年度より2.7ポイント増加した。逆に、経済的困窮を理由とする学生は前年度に比べ、9.8ポイント減少している。

 一方、2021年度の休学者は6万5,143人。前年度の6万7,034人に比べ、2.8%少なくなったが、コロナ禍を理由に挙げた学生は5,451人で、前年度の4,627人より17.8%増えている。

 学生生活不適応や修学意欲の低下を理由に挙げた学生は前年度より2.9ポイント増え、経済的困窮を理由とする学生はほぼ前年並みの0.2ポイント増だった。

参考:【文部科学省】大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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