東京大学では、2013年から入学直後の1年間に特別休学をとり、学生自らの計画によって大学以外の場で、自らを成長させる自己教育のためのプログラム「初年次長期自主活動プログラム(FLY Program)」を行っている。その5周年を記念し、2017年10月30日に、駒場キャンパスで、FLY Program 5周年活動報告会が開催された。
FLY Programは、入学した直後の学部学生が、自ら申請して1年間の特別休学期間を取得。東京大学以外の場において、ボランティア活動や就業体験活動、国際交流活動など長期間にわたる社会体験活動を行い、自らを成長させる自己教育のための仕組みだ。「プログラム」といっても、大学が学習メニューをつくって提供するものではなく、その内容は学生自身の主体的な判断によって決定される。
欧米の大学においては、入学前などの時期に、こうした“寄り道”を認める「ギャップイヤー」と呼ばれる仕組みが定着していて、東京大学のFLY Programは、これに準じた、日本での先導的な試みの一つとなる。
FLY Programによる学生たちの取り組みは様々で、ロンドンで語学と演劇を学びながら、本場の舞台やミュージカルを体験する学生もいれば、「悲惨な戦争の記憶を継承し、風化を防止する」「過去の戦争が今の国際関係にどう影響しているのか考察する」をテーマに設定し、広島、長崎、沖縄、韓国、ハワイなどの戦地を巡り、実際に元特攻隊員や戦争体験者にインタビューを行った学生もいた。
今回開催された、FLY Program 5周年活動報告会では、五神総長および石井理事による挨拶の後、第1期~第4期修了生による「FLY Program 経験を通しての変化」をテーマとした修了生座談会などが行われた。プログラム参加の前後を比較しての自分自身の変化やその後の学生生活・進路選択に与えた影響などについて、修了生が話す貴重な機会となった。