静岡大学(静岡県静岡市)工学部機械工学科 能見公博教授は、ミニ宇宙エレベーター衛星「STARS-Me(STARS-Mini elevator)」の宇宙放出計画を発表。2017年11月9日に浜松キャンパスにおいて記者発表を行った。
ミニ宇宙エレベーター衛星「STARS-Me」は、地上から宇宙へ人や物を運ぶ宇宙エレベーター構想に向けて運用中の静岡大学1機目「はごろも」の後継。「はごろも」は宇宙エレベーターに使うケーブルの伸展実験中で、「STARS-Me」はケーブル上を昇降機が動く仕組み。
「STARS-Me」は、2機のCubeSat(一辺10cmの立方体衛星)から構成されており、軌道上においてテザーに繋がれた2機の衛星が分離され、テザー上を超小型移動ロボット(クライマー)が移動する実験を行う。
能見教授によると「地上から宇宙へと繋げる宇宙エレベーター構想と比較すると、極端に小規模なものになるが、昇降機まで付けた宇宙実験は世界初」という。また、この実験は宇宙エレベーターのみならず、宇宙テザーを利用したミッション、例えば宇宙デブリ除去への応用も視野に入れている。
なお、「STARS-Me」は静岡大学としては3機目となる衛星で、2019年度に国際宇宙ステーションから宇宙へ放出を行うため、現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との放出契約手続きを行っている。